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SONYのCLIE撤退に思う

ユーザがいくら騒いでもSONY程の大企業が耳を貸すわけもなし、今となっては1年前のSONYの声 も空しい。。。
 SONYからは比較的CLIEの開発現場の声が比較的多く発信されており、ユーザにとっては一体感とか安心感もあったかも知れない(言い意味でも悪い意味でも)。製品としてのCLIEはともかくとして、大企業の試みとしては面白かったかなぁと思う(既に過去形)。
 しかし「SONYだけが考えるマーケット」から見ると、やはり電子手帳としてのPDAを脱却できなかったのが痛かった。いかにSONYと言えども結局はPDAの本質を変えるほどのイノベーションを起こせなかったということか。いや、palmOneが進んだようにスマートフォンという出口にあえて目をつむり、AV路線に突き進んだが故の末路か(結果論だが)。
 電子手帳機能としてのPalmOSだけだと、ベンチャー企業や中小メーカだと十分やっていける大きさの市場である。あるいは大企業の一部門が細々と食いつないでいく程度の。そこに「量より質」という市場度外視コンセプトをぶち上げて、これまた利益度外視で有機ELなどの最先端技術をぶち込む無茶をしたのが運の尽き。この厳しい時代にどっぷり開発に浸かれた(疲れた?憑かれた?)SONYエンジニアは楽しかったろうけど、そこにはユーザの姿がない。ユーザを実験台に使うような姿勢しか感じられなかった。
 SONYにしてみれば、VAIOもあるしPSPもあるし携帯電話もあるし、失うのは一時的、限定的な企業イメージだけで、むしろ選択と集中を実行したイメージ向上の方が大だろう。
 結論はないけれど、今となっては英語版PalmOSを日本語化する方法は複数あって、個人的にはPalmOSが世界中から消えてしまうわけでないので困ることはないかなと。確かに一般ユーザには寒い時代がやって来るだろうが
 あるいは意外にスマートフォンにPalmOSを搭載して「だから辞めるのはCLIEだけって言ったやんか」とか(期待半分言ってみる)。