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日経新聞:iPodから聞こえる経営

本日付の日経新聞のコラム。iPodの事業形態が日本製品の事業形態と根本的に異なるという内容。一般的にはiPodというハードとiTunesというソフト、iTMSというサービスが見事にハーモニーを奏でているということに注目されがちだが、実はという切り口。なるほどねぇ。
 本紙によるとiPod事業はデザイン、機能、設計などはApple社内で行い、部品調達(OSCPUも含む)、組み立ては海外で行うというファブレス形態である。つまり差別化要素は全て上流工程にあり、下流工程の全ては「平たい地球」から良いモノを調達するというスタイルである。
 一方、液晶テレビに代表される日本企業は、高機能部品や工程管理等、他社との差別化要素を社内に取込んで残りを海外から調達するという考え。テレビなどの家電製品は、なかなか上流工程だけでは差別化を見出せない事から来る苦肉の策といったところか。
 ところがこれらの形態は一概にどちらが良いとは限らず、結局は適材適所。iPodにしてもたまたまうまく技術進歩と全世界の人々のニーズがぴったり合う時期に製品+サービスを投入できただけである。何となくMacintoshの黎明期と重なる気もする。
 いわゆるパーソナル・コンピュータも単なるデザインやOSの機能だけでは差別化が難しくなってきた。実現できることが同じであればMacOS XでもWindows Vistaでも同じことだ。Mac(最近はMacintoshと呼ばなくなってしまった)が、次のステップに進むか、あるいは少なくとも一定のシェアを確保し続けるためには、上流工程でのイノベーションが必要なのだろう。