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鳴りを潜めたiPhone批判

 iPhone 3Gが販売を始めてから半年以上を過ぎた。iPhoneがビジネス上で成功を収めたか、あるいは収めつつあるのかはともかく、日本であれだけあったバッシングがすっかり鳴りを潜めてしまったのは、さてどういうこと?
 ガラパゴス端末が席巻していた日本の携帯電話市場に飛び入りしたiPhone 3Gだったが、ほぼ予想通りのバッシング。端末が高い、メールで絵文字が使えない、ワンセグが使えない、おサイフケータイが使えない、タッチパネルは使いにくい、女子高生に受けない端末だなど、批判の嵐。特にメーカやキャリアお抱えのケータイやIT関連のニュースやコラム記事はひどかった。
 確かに当初、これら批判ははっきり言ってもっともだった(理解できないものは除き)。一番基本の日本語変換は遅くてイライラしたし、Safariはとにかく落ちまくる。絵文字やワンセグ以前の問題である。

 しかしまぁ、どういう訳かそーいうことが気にならなかったのは「OSやアプリなんてアップデートされるもの」という基本認識があったからだ。

 実際その後、Appleは良い仕事をした。日本語変換は劇的に改善、Safariは落ちにくくなったし、はっきり言って日本以外ではどうでもいい絵文字にも不完全ながら対応、ワンセグへの対応は非常にスマートな方法でやり遂げた。それと共に、批判記事は劇的に減少した。
 そこで思った。要するにこれまでiPhoneを批判していた人々は、ハードもソフトもユーザが更新できない従来のケータイに慣らされていて、「アップデート」の概念を持たなかったのではないだろうか? あるいはAppleiTunesを核にした垂直ビジネスモデルを真に理解できなかったのでは?
 確かに、ガラパゴス端末は買い換えない限りメーカやキャリアから提供される機能やサービス以上のことができない。さらに旧来のスマートフォンやPDAでさえ、つまりPalmWindows Mobileでさえ、iPhoneほどスマートにOSアップデートできなかった。そういう意味で、Appleはケータイ市場に新しい価値を持ち込んだと言える。

 少なくともガラパゴス端末ユーザにとっては、発売当初のiPhone 3Gはマーケット用語で言うところの「アーリーアダプタ」向け端末に過ぎなかったろう。実際、マーケット講座と称してまことしやかにiPhoneを例に挙げている記事もあった。内容はご想像にお任せするが、技術の本質を理解しないでマーケットを語るとこうなるという好例
 まだまだ日本ケータイ市場は開国したばかり。まだiPhone 3Gは扉をこじ開けただけ。これからもっとユーザが色んな端末を選択できる世界が広がって欲しい。特にメーカ・キャリアのお抱え記者さんも、もっとプロ意識を持って広い視野を持つべきではないだろうか。