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愛に時間を 〜 涼宮ハルヒの憂鬱

 突然オンエアされたアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の新作「笹の葉ラプソディ」。その中で長門有希がさりげなく読んでいたのが、ロバート・A・ハインラインの「愛に時間をである。本書はタイムトラベルの伏線となっている。ちなみに、長門が読んでいたのはハードカバー本であったが、リンク先は3冊に分かれた文庫本の1巻目である。思わず「懐かしい〜」と叫んでしまったのも当然。読んだのは昭和59年の初版本で、もう25年近くも前のこと。まさに「愛に時間を」。
 ハインラインと言えばパワードスーツを扱った「
宇宙の戦士」が有名(実はスタジオぬえのイラストの方が有名かもしれないが…)。本書にはベトナム戦争や愛国主義を彷彿とさせる表現が随所に見受けられ、かなり右寄りの作者というイメージを持っていたので、「愛に時間を」の発刊当時はマジでひっくり返った。内容は、長寿族であるラザルス・ロングの長い、長い、飽きるほど長いお話。予備知識を持たずに読み始めたので、話がどこに向かうのか分からなくなって途中で挫折しそうになったが、最後は本当に心温まる感動の結末を迎える。
 タイムトラベルを描いたハインライン作品は、「愛に時間を」を遡ること30年以上前に書かれた「
メトセラの子ら」や「夏への扉」など、とてもロマンティックで感動的である。これらの古典SFを読んでしまった後では、正直、最近のタイムトラベルを扱った作品はなかなか楽しめない。
 ところで、オンエアされた「笹の葉ラプソディ」の原作は「
涼宮ハルヒの退屈」で、「涼宮ハルヒの〜」シリーズはこの話を機に、ややこしいタイムトラベル・ループに突入する。ハルヒシリーズはSF小説好きにはたまらない話が多いけれど、アニメシリーズもその辺を分かって作っている辺りが、さすが京都アニメーションというべきか。