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iPhoneとゲーム機

 iPhoneは「優れたゲーム機だ!」って議論を見かけるようになった。曰く、これからのゲーム会社はiPhone対応で大変だとか、iPhoneビジネスに参入しないと時代の波に乗り遅れるとか、はたまたAppleがゲーム市場に参入!とか…。まぁ、非常に長い期間、肩身の狭い思いをしてきたAppleファンとしては、そういった議論が出てくること自体は肯定的に受け取っている。でも、果たしてホントかね?
 Appleから見れば「ゲーム市場」は既に熾烈なシェア争いのまっただ中である。iPhoneは、App Storeというビジネスの中の一デバイスに過ぎず、ゲームも一商品に過ぎない。iPhoneは「
ゲームできる端末」であり、「ゲームしたいユーザ」がiPhoneを買う。
 一方、ゲーム機メーカから見てみよう。ゲーム機は「
ゲームできる」端末であり、「ゲームしたいユーザ」がゲーム機を買う。小さな違いのようだが、市場もユーザもまったく違うので、アプローチ方法(宣伝方法)も、そのコンテンツも同じでは成り立たない。当然、同じようなハードウェア仕様である限り、ユーザがオーバーラップする領域は必ず存在するので、同じコンテンツでも成り立つ世界もあるけどね。
 ぶっちゃけて言えば、iPhoneがゲーム市場に参入したのではなく、Appleやそのほかのスマートフォンメーカ(OSメーカ)でも参入できちゃう市場に、ゲーム専用機を投入してしまっただけのことである。そこはいずれ、旧来から一定規模の市場を持つPalmやWindows Mobileだけでなく、Androidなどの草刈り場になる。
 ゲーム会社(ハードメーカ、ソフトメーカとも)がiPhoneを取るかゲーム機市場を取るかという二者択一戦略に陥ると最悪だ。どちらかを選択した時点で、片方の市場を捨てることになる。あるいは、同じ市場だと誤解して、既存のゲームコンテンツをiPhoneにそのまま持ち込めば、えらい目に遭うことだろう。
 残念なことに、既にその兆候が現れ始めている。それはせっかく築いてきた、日本のゲーム産業を疲弊させることになる。ゲーム機はゲーム機として、ゲームコンテンツはゲームコンテンツとしてやるべき事をやるべきである。
 では、iPhone市場に適したゲームコンテンツとはどんなものだろう?
 いろいろ意見はあろうが、管理人が思うところ、iPhoneに適したコンテンツを作るには、
ユーザがiPhoneのユーザインタフェースになじんでこだわりを持っていることや、ゲーム以外のコンテンツも使うことを忘れないこと、また汎用機であるが故にハードウェア仕様に制約があるが、ガラパゴスケータイなんかよりもはるかにWebとの親和性が非常に高いため、Web2.0ビジネスを最初から考えたコンテンツにすること、がポイントであると考えている。
 しかし、一番重要なポイントは、iPhoneには「
情報リテラシの高いコアなユーザ」がいること。この少数の扱いを間違えると大変なことになっちゃうだな、これが。